
「美しく生きたい」を応援する、美藻です。
2025年大阪・関西万博で、日本のものづくりの未来が今、目の前に広がろうとしています。
ちとせグループが主導するプロジェクト「MATSURI」は、日本館のファクトリーエリアにて、藻類を活用した循環型のライフスタイル展示「ものもの by MATSURI」を公開。化粧品や衣類、PET素材から、船舶や航空機燃料まで。まるで未来の日常を先取りしたかのような展示に、ワクワクが止まりません。
この展示を通して、藻類が秘めた可能性がやさしく力強く、そしてキラキラと輝きながら、未来の暮らしを支えてくれる存在として映し出されます。自然との共生をテーマに掲げた日本館だからこそ実現した、命のつながりと循環が織りなす展示の全貌をご紹介します。
本ページの目次
Toggleちとせ、微細藻類が魅せる「いのち」と「ものづくり」が出会う場所、日本館のファクトリーエリア
藻類の魅力を五感で感じる展示
ファクトリーエリアに並ぶ「ものもの by MATSURI」は、藻類という一見地味で目立たない存在に、最先端のテクノロジーと創造性を融合させた展示です。
衣類や化粧品、食品、塗料、燃料といった日常に欠かせない製品たちが、藻類からできているなんて、ちょっと想像できなかったという人も多いはず。
でも、展示を見れば見るほど、その自然なつながりと美しさに驚かされます。藻類が持つ色彩、機能、可能性が、しっかりと「未来のリアル」に繋がっていることが感じられます。
光合成の力を使ったものづくり
この展示の基盤にあるのは「光合成の力」。つまり、太陽の光と水、そして空気中のCO2から、藻類が成長し、それを素材にして製品を作るという考え方です。
これはまさに、地球の自然なサイクルに寄り添った持続可能なものづくり。
ちとせ研究所が技術監修を行うファームエリアと連携しながら、MATSURIではその光合成のプロセスを活用した循環型社会の実現を目指しています。
石油を使わずに、自然と調和する新しい産業のカタチが、ここから生まれようとしています。
ウィンドウ越しに見る未来
展示エリアは、日本館の公式ショップすぐ横に設けられていて、ガラス越しに「未来のショーウィンドウ」が広がります。
日常の中で自然と目に入り、足を止めたくなるようなオシャレさと洗練された世界観が魅力です。
あえて「手に取れない」展示にすることで、未来の暮らしに思いを巡らせるきっかけになっています。
透明なガラスの向こうには、ほんの少し先の現実が広がっていて、見る人すべてに「こうなったらいいな」という気持ちを自然に芽生えさせてくれる構成です。
ファッションが変わる、「息吹」という名のドレス
バイオ素材で生まれた美しい衣
「息吹」という名のドレスは、藻類由来のバイオ素材を使って作られた、まさに新しい時代のファッションアイテムです。
化石資源に頼らないこの衣類は、太陽の光と水、そして藻類の生命力から生まれたもの。
素材自体にしっとりとした手触りとナチュラルな光沢があり、それがドレスに命を吹き込んでいます。
この技術が普及すれば、環境にやさしいだけでなく、ファッションの自由度もさらに高まりそうです。
「いのちの色」が表現されたグラデーション
デザイナー田畑拓見さんによって仕立てられたドレスは、藻類がもつ豊かな色彩や質感を活かしたグラデーションが印象的。
深い緑から明るいブルー、柔らかなベージュまで、自然界に存在する色が、美しく織り込まれています。
まるでドレス自体が呼吸しているかのように見えるこの作品は、自然との調和、そして新しい命の芽生えを表現しているようです。
まさに「いのちと、いのちの、あいだに」という日本館のテーマを象徴する作品のひとつです。
循環型社会の象徴としてのドレス
このドレスは、ただのファッションではありません。
化石資源からの脱却を目指す、循環型社会の象徴です。
光合成を起点にしたこの衣は、私たちがどのような素材と暮らしを選んでいくかという問いかけを投げかけてくれます。
未来のクローゼットには、こんなドレスが並ぶ日がくるのかもしれません。そう思うと、なんだかワクワクしてきますよね。
飛行機も空を飛ぶ、微細藻類から生まれたジェット燃料
SAFの実用化を目指す挑戦
藻類から得られる油を原料にしたSAF(Sustainable Aviation Fuel)は、空の旅をより環境にやさしいものにするための新しい一歩です。
MATSURIでは、このSAFの実用化に向けて、日々研究と開発が続けられています。
展示では、藻類100%の力で空を飛ぶ飛行機の模型が登場。小さな模型かもしれませんが、それが意味するのは「大空を変える力」。
これからの航空業界の常識が変わる、そんな期待が詰まった展示です。
藻類が空を支える日もすぐそこに
藻類は、育てるのに広大な土地を必要とせず、CO2を吸収しながら成長する生物です。
この特性を活かすことで、地球にやさしく、しかも安定して生産できる燃料の原料として注目されています。
今後、国際線でも藻類由来の燃料を使う時代がやってきたら、空の旅も地球環境もどちらも守ることができる。
そんな希望が、現実のものになりつつあることをこの展示は教えてくれます。
航空業界のカーボンニュートラルに貢献
国際航空業界では、2050年までにカーボンニュートラルを目指すという大きな目標があります。
その中で、藻類由来のSAFはとても大きな鍵になる存在です。
飛行機の排出ガスを減らすだけでなく、燃料そのものの製造過程でCO₂を吸収できるという特性は、まさに未来のエネルギー。
「空を飛ぶこと」が環境にやさしくなるという新しい価値観を広めてくれる展示となっています。
PET素材の常識も覆す、微細藻類活用の次世代バイオ素材
世界初、藻類由来の100%バイオPET樹脂
MATSURIプロジェクトでは、藻類を原料とした世界初の100%バイオPET樹脂を開発しました。
これまでPET素材といえば、石油由来のものが一般的でしたが、それを完全に自然素材で代替するという大きな挑戦が実を結んでいます。
太陽の光と光合成で育った藻類から生まれたこの新素材は、見た目も使用感もこれまでのPETと変わらず、それでいて地球にやさしいという優れもの。
これからのものづくりに革命をもたらす存在として注目されています。
「使えば使うほどCO2が減る」未来へ
このバイオPET樹脂が画期的なのは、製造プロセスそのものにCO₂の吸収が含まれている点です。
つまり、使うほどに地球の空気がきれいになるという、これまでにはなかった新しい価値を生み出しています。
今までは「使う=汚す」というイメージがあったプラスチックですが、それが逆転することで、私たちの生活そのものが循環型に変わっていく。
そんな明るい未来を、この素材が形にしています。
社会全体での導入が期待される技術
このPET樹脂の技術が本格的に普及すれば、食品や飲料の容器、家庭用品、化粧品パッケージなど、あらゆる分野に応用されていくことでしょう。
そして、地球規模でのプラスチックごみ削減や温暖化対策の大きな一手になるはずです。
MATSURIでは、この技術をさらに進化させ、より安定した生産体制の構築を目指しています。
「未来は選べる」——その選択肢を増やしてくれる、希望に満ちた取り組みです。
美の世界の微細藻類、「美の玉」が語る、肌と自然へのやさしさ
美しさとサステナビリティの両立
資生堂が開発した「美の玉」は、藻類から抽出した成分を用いたスキンケアプロダクト。
地球にやさしいだけでなく、肌にもやさしい処方が特徴です。
藻類のオイルを封じ込めた美しいビーズは、見た目にも可愛く、使うたびに心がときめきます。
機能とデザイン、そして地球環境への配慮が、すべてひとつになったまさに「未来の化粧品」です。
「まがたま」と「しずく」に込められた想い
「まがたま」は、日本の伝統美を取り入れた3色のクリーム。
天然由来の素材でつくられ、使うたびに豊かな感性を刺激してくれます。
「しずく」は、リピッドシェル技術を活かして藻類オイルを美しいビーズに閉じ込めた美容液。
手に落ちた瞬間にふわっと広がる香りと感触に、自然の恵みがたっぷり詰まっていることが感じられます。
自然と共に美しく生きるという選択
資生堂の化粧品開発には、「人と自然が共に美しくあるために」という哲学があります。
今回の展示では、ただ肌を整えるだけでなく、自然へのリスペクトが込められた製品たちが並んでいます。
見た目の美しさだけでなく、「どう生きるか」「どう選ぶか」という視点から美しさを再定義する提案になっています。
食卓から広がる、微細藻類を起点とした循環の未来へ
スピルリナが主役の味噌汁
マルハニチロが提案するのは、「藻類味噌汁〜スピルリナ〜」。
日本の伝統的な食事である味噌汁に、未来のスーパーフードとも言われるスピルリナを加えました。
スピルリナは、土を使わずに育てることができ、環境への負荷も少ない食材です。
しかも、たんぱく質やビタミン、ミネラルも豊富で、栄養価も高く、まさに未来の栄養源と言える存在です。
「いただきます」に新しい意味を
この味噌汁には、「いのちをつむぐ」というテーマが込められています。
食べること=命をいただくことを通して、藻類が持つ命の力と、その持続可能性について考えるきっかけを提供しています。
展示だけでなく、実際に会場で試食できる予定もあり、来場者の五感を刺激する体験型コンテンツとして注目されています。
未来のおにぎりがつなぐ自然と人
テーブルマークからは、藻類を混ぜたごはんと、藻由来の海苔で包んだ「未来のおにぎり」も登場。
「大地の紬」と名づけられたパックごはんシリーズでは、自然とのつながりや、人と人との縁を「赤い糸」でパッケージデザインに表現しています。
見た目もかわいくて、美味しくて、環境にもいい。
そんな食の楽しさとやさしさを伝えてくれる展示です。
海と陸を繋ぐ、未来のばら積み船での微細藻類活用
バイオ燃料で動く巨大船「KAMSARMAX」
富洋海運が展示する「KAMSARMAX」は、藻類を使ったバイオ燃料でも航行できるばら積み船のモデルです。
この船は1度に82,000トンもの貨物を運ぶことができ、それはお茶碗にして約15億杯分のごはんに相当します。
そんな巨大な運搬力を持ちながらも、環境負荷を減らす新しい燃料に対応しているのがポイントです。
4種類の燃料に対応する柔軟性
展示されている模型は、従来の重油やメタノールに加え、バイオ重油・バイオメタノールといった環境配慮型の燃料にも対応可能。
これにより、現場ごとに最適なエネルギーを選ぶことができる柔軟性を実現しています。
エネルギーの多様化が進むこれからの時代には、とても大切な発想です。
海運業界から地球環境を守る
実は、世界のCO₂排出の中で、海運が占める割合も少なくありません。
そこにバイオ燃料が広まることで、大きな削減効果が期待されます。
富洋海運が目指すのは、まさに「海からはじまるサステナブル」。
海も地球も守りながら、モノも人も、未来へと運ぶ力になっています。
まとめ:「「ものもの by MATSURI」が描く、わたしたちの未来——微細藻類が主役の循環型社会へ」を知り、より良い美藻生活を!
「ものもの by MATSURI」は、決して遠い未来の話ではありません。
私たちが選ぶもの、使うもの、食べるもの、すべてに藻類が静かに、そして確かに関わりはじめています。
その姿はとてもナチュラルで、美しくて、ちょっと感動的です。
この展示を通じて、「地球にやさしいって、こんなにおしゃれで楽しいんだ」と感じてもらえたら嬉しいです。
未来の暮らしは、環境のためにガマンするものじゃなく、自然と笑顔になれるもの。
藻類が描くこの未来に、もっと多くの人が関心を持ち、参加し、日々の選択の中で「よりよい未来」を選び取っていけるように。
そんな希望にあふれた展示が、今、あなたの目の前にあります。
ぜひ大阪・関西万博の会場で、未来の暮らしにふれてみてください。
参照:JIJI.com
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