ユーグレナ社、マレーシア商業プラントへの15%出資(計約300億円)を完了し持続可能なエネルギーの未来を加速

「美しく生きたい」を応援する、美藻です。

微細藻類を取り扱う株式会社ユーグレナは、持続可能なエネルギー社会の実現に向けて重要な一歩を踏み出しました。

同社は、マレーシアで建設が進む商業規模のバイオ燃料プラントに対して、2025年7月16日付で出資比率を15%に引き上げたことを発表しました。

このプロジェクトは、マレーシア国営石油会社PETRONAS社と、イタリアのエネルギー大手Eni社の子会社と共同で推進されており、ユーグレナ社が商業化を目指すバイオ燃料分野において、非常に大きな意味を持つマイルストーンとなっています。

本記事は「ユーグレナ社、マレーシア商業プラントへの15%出資(計約300億円)を完了し持続可能なエネルギーの未来を加速」を紹介します。

本コンテンツは美藻.comが独自に制作し、コンテンツおよびランキングの決定に一切関与していません。メーカー等の依頼による広告にはPRを表記します。また本コンテンツはECサイト、メーカー、および検索エンジン会社等から送客手数料を受領しています。詳しくは美藻.comサイトポリシーをご覧ください。

ユーグレナ、バイオ燃料事業の商業化に向けた進展

10万KLのバイオ燃料供給が現実に近づく

今回の出資比率引き上げにより、ユーグレナ社は年間約10万キロリットルの持続可能な航空燃料(SAF)および次世代バイオディーゼル燃料(HVO)などの取扱いが可能となりました。

これまで研究や実証段階で取り組まれていたバイオ燃料事業が、いよいよ商業ベースでの供給体制へと移行する重要なステージに入りました。

この規模の取扱いを実現できることで、同社のバイオ燃料事業がより強固な収益基盤を持つことになり、同時に日本が掲げる脱炭素社会の目標達成にも大きく貢献することが期待されています。

 

2028年下半期の稼働に向けて本格始動

今回出資が決まったマレーシアのプラントは、PETRONAS社が運営する石油化学複合施設「Pengerang Integrated Complex」内に建設され、2028年下半期の稼働を目指して、2025年からEPC(設計・調達・建設)プロセスが開始される予定です。

同プラントはアジア最大級となる日産1万2,500バレル、年間72.5万KL相当の生産能力を持ち、使用済み食用油や動物性油脂、さらには微細藻類由来の藻油など、環境負荷の低いバイオマス原料を使用する方針です。

将来的には、世界的に拡大し続けるバイオ燃料需要に応えながら、アジア全体のエネルギー供給構造にも影響を及ぼす存在になる可能性があります。

 

ユーグレナの成長戦略とサステナブルな未来

出雲充社長は「念願だった商業化の一歩をついに形にすることができた」と述べ、これまで挑戦を支えてきたパートナーや関係者に深い感謝の意を表しました。

このマイルストーンを通じて、ユーグレナ社は技術面だけでなく事業面でも確かな信頼と成果を得ることに成功し、次のステップとなる供給先の拡大やサプライチェーンの構築へと本格的に動き出します。

日本国内で急速に高まる脱炭素ニーズに対応するとともに、サステナブルなエネルギーの輸出国としての役割を担うという新たな目標も視野に入れており、グローバルな視点での活躍が期待されています。

 

ユーグレナ、原料確保の戦略と研究開発の深化

アジア各地での原料調達パートナーの拡大

ユーグレナ社はプラント稼働時に必要となる原料、特に廃食油や動物性油脂を安定的に調達するために、アジア諸国でのパートナー企業とのネットワーク構築を進めています。

原料調達は商業化における供給安定性を左右する要素であるため、単一国依存を避ける多元的な体制の構築が必要不可欠であり、現在はベトナム、インドネシア、タイなど原料豊富な地域での調達ルート拡大に注力しています。

これらのパートナーシップは単なる取引にとどまらず、原料の品質向上やロジスティクスの最適化にも寄与し、ユーグレナ社の供給力と競争力を強化する役割を果たします。

 

微細藻類ユーグレナの商業生産に挑む

現在主力とされる廃食油などの原料は、将来的に需要増加による不足が懸念されており、ユーグレナ社ではその代替原料として微細藻類由来の藻油に注目しています。

特に自社で開発したユーグレナ(ミドリムシ)は、成長が早く栄養価も高いため、将来的にバイオ燃料用原料として極めて有望視されています。

同社は2024年8月、マレーシアのPetronas Research Sdn. Bhd.社と包括的共同研究契約を締結し、2025年2月には商業規模タンクでの高密度培養に成功するなど、培養技術のブレークスルーが続いています。

 

コストの壁と向き合い挑戦を継続

藻油の商業利用には培養コストの高さという課題が残されていますが、ユーグレナ社は光合成効率の高い種の選別や、培養環境の最適化といった技術開発を進めることでその壁の突破を図っています。

現在は、燃料用途としてコスト効率を最重視した設計が行われており、2027年以降の実用化を目指して開発体制を強化しています。

持続可能なエネルギー供給を将来的にも維持するためには、こうした最先端バイオマス研究が不可欠であり、ユーグレナ社の技術革新に対する投資と姿勢は高く評価されています。

 

ユーグレナのサプライチェーンと市場拡大の展望

 

国内外での供給先拡大が本格化

出資完了を受けて、ユーグレナ社では国内航空会社をはじめとするSAF導入予定企業との協議を進めており、2028年以降の供給体制構築に向けた準備が加速しています。

特に、2030年以降に見込まれる国内SAF需要170万キロリットルの一角を担う供給者として位置づけられることは、同社にとっても大きな責務であり同時に成長機会ともなっています。

今後は海外の物流・運輸事業者との連携も視野に入れ、グローバルマーケットへの進出も段階的に進めていく方針です。

 

SAFとHVOのフレキシブル生産体制

本プラントはSAFとHVOの両方を製造可能であり、市場の需給バランスや原料の入手状況に応じて柔軟に生産ラインを変更できる特徴があります。

このような生産柔軟性を持つ施設はアジアでも先進的であり、多様な市場ニーズに即応できる体制は、商業化における大きな競争優位性となります。

ユーグレナ社は、需給予測の高度化やリアルタイム制御の技術導入を進めながら、運営効率と収益性の最大化を図っています。

 

パートナーシップを通じた価値創造

Eni社およびPETRONAS社という世界的なエネルギー企業との連携は、単なる資本提携を超えて、共創を実現する新しいビジネスモデルの一環と位置づけられています。

これにより、各社が持つ技術やネットワーク、資源を組み合わせて、単独では到達できないスケールとスピードで持続可能なエネルギー社会の実現に貢献する体制が整いつつあります。

また、技術共有によって生まれる相乗効果は、今後の製造技術の革新にもつながると期待され、ユーグレナ社にとって大きな財産となっています。

 

まとめ:「ユーグレナ社、マレーシア商業プラントへの15%出資(計約300億円)を完了し持続可能なエネルギーの未来を加速」を知り、より良い美藻生活を!

本記事は「ユーグレナ社、マレーシア商業プラントへの15%出資(計約300億円)を完了し持続可能なエネルギーの未来を加速」を紹介しました。

今回のマレーシア商業プラントへの15%出資完了は、ユーグレナ社にとってバイオ燃料事業の商業化における決定的な第一歩となりました。年間10万キロリットルのバイオ燃料取扱いにより収益構造の確立が現実のものとなり、2028年以降の事業展開には明るい展望が広がっています。

また、微細藻類の研究やグローバルなサプライチェーン構築によって、単なる供給企業を超えたイノベーターとしての存在感を強めています。

出雲社長の「持続可能なエネルギーを日本から、そして世界へ」という言葉には、その信念と覚悟がにじんでいます。脱炭素社会への転換が世界的な課題となる中で、ユーグレナ社が担う役割は今後ますます大きくなることが予想されます。

この挑戦が現実となる未来に、私たちも大きな期待と希望を抱きながら、その一歩一歩を見守っていきたいと思います。

 

美藻一言メモ!

今回のユーグレナ社の15%出資完了は、単なるバイオ燃料事業の拡張にとどまらず、原料の持続可能性と多様性の確保という点でも極めて重要な意義を持ちます。

特に、国際的に脱炭素化の流れが加速する中で、SAFやHVOといったバイオ燃料の安定供給能力は、航空・運輸産業の今後を左右する要素として注目を集めています。

また、昨今注目されている「カーボンニュートラル達成に向けた原料分散型の供給網構築」という観点からも、ユーグレナが藻油に可能性を見出している点は非常に示唆的です。

今後は技術進化とコスト競争力を背景に、微細藻類がエネルギーインフラの中心に躍り出る日もそう遠くないかもしれません!

参照:ユーグレナ

 

おすすめの記事