
「美しく生きたい」を応援する、美藻です。
地球温暖化を止める鍵のひとつとして、微細藻類が注目されています。
特に油脂を効率よく生産できる「ナンノクロロプシス」という藻は、CO₂を吸収しながら私たちの暮らしに欠かせない食用油や燃料を生み出せるのが魅力です。
そんな微細藻類の可能性を最大限に活かしているのが、東京科学大学発のスタートアップ・ファイトリピッド・テクノロジーズです。
今回、同社はシードラウンドで2億2千万円の資金を調達したと発表しました。調達した資金をもとに、瀬戸内沿岸部に自社培養施設を設置し、食用油脂・ω3脂肪酸・たんぱく質資材の生産を本格化させる計画です。CO₂吸収と循環型資源生産の両立を目指すこの挑戦は、脱炭素社会の実現に向けて大きな一歩になりそうです。
今回はファイトリピッド・テクノロジーズの取り組みと微細藻類が切り開く未来について、わかりやすくお届けします。
微細藻類の油脂生産でCO₂吸収に挑む、ファイトリピッド・テクノロジーズの最新技術
藻類は植物と同じように光合成を行い、CO₂を吸収しながら成長します。
ファイトリピッド・テクノロジーズは、特に油脂生産能力が高いナンノクロロプシスに注目し、食用や燃料用の油脂を効率よく生産する技術を磨いてきました。
この仕組みは、温室効果ガスを削減しながら食料資源を増やすという、一石二鳥の役割を果たしてくれるのが特徴です。
ナンノクロロプシスとは?油脂高生産藻の可能性
ナンノクロロプシスは海洋性の微細藻で、他の藻類に比べて油脂含有率が非常に高いことで知られています。
さらにω3脂肪酸も多く含んでいるため、健康食品やサプリメントの原料としても期待されています。
耕作地を必要としないため、既存の農業と競合せずに資源を生み出せるのが大きなメリットです。
微細藻類が実現する持続可能な油脂供給
従来の油脂は大豆や菜種など陸上の作物に依存してきました。
ですが、気候変動や耕作地不足の問題を考えると、海洋性の藻類は新しい供給源として注目されています。
ファイトリピッド・テクノロジーズが開発する高密度培養技術は、安定した大量生産を可能にし、供給リスクの低減に繋がると期待されています。
CO₂削減と循環型社会への貢献
藻類が成長する過程でCO₂を吸収することで、排出されたCO₂を資源に変換できます。
企業の工場や発電所などの排ガスを吸収しながら、燃料や食品資材を生み出す未来が現実味を帯びてきました。
これはカーボンニュートラルを目指す多くの企業にとっても大きな武器になります。
ファイトリピッド・テクノロジーズ、瀬戸内沿岸に培養施設設置へ!地域とともに広がる生産体制
今回の資金調達により、ファイトリピッド・テクノロジーズは瀬戸内の沿岸部に自社培養施設を新設する計画です。
沿岸部は光合成に必要な日照条件や海水資源が揃っており、藻類培養に最適な環境です。
地域の特性を活かすことで、環境に優しい生産体制が確立されます。
地域資源を活かした循環型拠点
沿岸地域の活性化と結びつくことで、未利用資源の有効活用や雇用創出も期待されます。
地域経済への貢献が環境保全と直結するのは、持続可能な社会に向けた理想的な形です。
自社培養の強みと安定供給
藻類は気温や水質などの外部環境に影響を受けやすいものです。
ですが自社施設を持つことで、高密度で安定した培養を続けられます。
これにより、取引先となる食品メーカーやバイオ燃料企業に対しても、長期的で安定的な供給ができる体制が整います。
食品・燃料・健康素材の拡大展開
自社培養で生まれた油脂は食用油だけでなく、オメガ3脂肪酸やたんぱく資材としての活用も進められています。
さらに、将来的にはバイオ燃料の供給にも対応する予定です。
多様な分野で活用が広がることで、循環型社会の実現がぐっと近づきます。
微細藻類ベンチャー・ファイトリピッド・テクノロジーズの資金調達動向と未来
ファイトリピッド・テクノロジーズは2021年の設立以来、研究開発を進めながら複数回の資金調達を行っています。
今回のシードラウンドでは、京都大学イノベーションキャピタルをはじめとする複数のベンチャーキャピタルが出資に参加しました。
これまでの累計調達額は2億5千万円を超え、国内外の投資家からも期待が寄せられています。
ベンチャーと大学の連携で加速する開発
大学発の技術を社会実装するために、大学の技術と企業の事業化ノウハウを組み合わせる動きが加速しています。
研究者と投資家が一体となって挑戦できる環境は、革新的な技術を生み出す土台になります。
投資家に選ばれる成長性
CO₂吸収と油脂生産を両立させるという独自の強みは、気候変動対策に積極的な投資家からも評価されています。
今後もさらなる資金調達を行いながら、事業拡大と技術革新が期待されています。
未来を変える藻類ベンチャーに注目
微細藻類を活用した循環型の資源生産は、世界的な脱炭素の流れを支えるカギのひとつです。
ファイトリピッド・テクノロジーズがどのように地域や企業と連携しながら未来を形にしていくのか、これからの展開から目が離せません。
まとめ:「微細藻類の油脂生産で脱炭素を加速!ファイトリピッド・テクノロジーズが2億2千万円を調達」を知り、より良い美藻生活を
本記事は「微細藻類の油脂生産で脱炭素を加速!ファイトリピッド・テクノロジーズが2億2千万円を調達」を紹介しました。
今回の資金調達をきっかけに、ファイトリピッド・テクノロジーズは微細藻類を活用した持続可能な油脂生産とCO₂吸収の両立を加速させていきます。
瀬戸内沿岸部に自社培養施設を設けることで、地域とともに環境に優しい生産体制を築き、安定供給を実現しながら循環型社会の実現を目指します。
私たち一人ひとりが、この小さな藻の可能性にもっと注目し、環境に優しい選択を応援することで、脱炭素の未来はもっと近づいてくるはずです。
参照:PR TIMES